狼と香辛料2

白い小説だ。一作目も面白かったが二作目も本当に面白い。

結幕への場面設定へ向けて逆算で用意されている伏線だろうけどそれを感じさせない水のように淀みなく上から下に流れる物語は読み終った後にそれらの伏線に気づいても流れ方の見事さに感嘆してしまう。最初の胡椒での儲けもそこからロレンスが欲をかいて武器を信用買いするのも傭兵のせいで違う道を歩むから羊飼いに会うのも最後ありきなのだろう。

最後まであっというまに読んでしまって悔しいので荒さがしをしたくなったけど話の流れが見事ゆえにホロの油への執着や桃の蜂蜜漬けといった細かい所の落ちが用意されてなかったなぁと気になった。

一作目で、ホロが狼になることへのためらいがホロが人間の間にいる孤独さを表していたのに、二作目今回ホロは二回狼になるが一回目ロレンスがホロの狼の姿をみてもおびえなくなったのが免罪付のように二回目ホロが狼になるのをためらわなくなるのはこれが水戸黄門の印籠のように狼なるのだせばなんとかなんとかなるという単純な思考に見える。

ロレンスがホロへの恋心を話そうとするときホロが軽くいなすは二人の関係を曖昧なままで物語を続けるためなのか、それともホロは数百年生きるのがロレンスは普通の人ゆえいつかは死ぬ。二人が結ばれたとしても末永く幸せに過ごしました。というハッピーエンドで終れないから賢狼がいずれどっかに去っていくための伏線として書いてるのか気になる。

ホロとロレンスが出会う前の話がそのうち出るだろう。狼と香辛料0として。一作目でそれらしい話もでてるし。

非常に面白く続編が気になる。ちょうど三作目が出たところなので読んでしまって続編がでるまでもんもんと過ごすか、今我慢して四作目が出たところで買うかどうか非常に迷っている。