狼の口 久慈光久

14世紀初頭 スイスアルプス地方のザンクト ゴットハルト峠の関所の話。1話からぶっ飛んでいる。ハプスブルク家の圧政に苦しんでいて反乱を企てた謀反人の娘が、関所を超えようと騎士と一緒に苦労を重ねるが、峠の代官に見破られ救いなくあっさり騎士と娘は殺されてさらし首にされてしまう。
今時の若者が読みやすいように西洋を舞台に、さらに絵を今風にしたように感じる。もしかしたら日本人が物語を書く作風として、圧政を敷く為政者とそれに耐え忍び散っていく民草を描く、という劇画的内容があるのかもしれない。