秒速5cm

秒速5センチメートルは一人の少年を軸にした短編3話を纏めた物で1話目は少年貴樹が栃木に転校した少女明里に会いに行く話で、2話は種子島に引っ越した貴樹に恋をする少女花苗の話で、3話は大人になった貴樹が記憶に残る明里の面影を至る所で探してしまう話。1,2話はよく言えば少年、青年時代の甘酸っぱい青春の話で悪く言えば陳腐な童貞くさい、少女漫画みたいな話だ。しかし3話目で貴樹が踏切で明里とすれ違う所、貴樹は振り返り踏切が空くのを待っていたが明里は待っておらず2人が互いに面影を探してたというドラマを否定した所で、私の中では1,2話のドラマが、陳腐ゆえに誰にでもある淡い思い出の部分だけ抽出して感じ、3話通じての印象が誰にでもある甘酸っぱい思い出からの決別と旅出というものになりました。面白かったです。